
小松菜が腐った、
という理由で、セルフ大激怒して、
ガッシャンガッシャン、大音響で野菜室の大掃除が始まった。
オンラインミーティングをしているわたしに、
相手の声がだんだん届かなくなる。
小松菜を買ったのも、
小松菜を管理していたのも、
わたしではない。
なので、ただ無言で仕事を続けた。
すると、
わたしが仕事をやめなかったのが悪かったのか?
かまってくれ、ということなのか、
今度はガラスのコップが床に落ちた音。
大きな叫び声が聞こえる。
やれやれ。
1時間という限られた時間の中でのミーティングだが、
ここで行かないと、怒りモード限界MAXになってしまうので、
ヘッドセットを放り出し、台所へ向かう。
破片が周囲にあり、
危なくて動けないようだ。
何か言っているけど、何を言ってるのか指示が明確に分からない。
ある種のパニックなのだ。
ちょっと考えて、やっぱりコレしかないか、と掃除機を出す。
彼が「ココ」「ここも」と怒って指図する場所に掃除機をかける。
ミーティングが気になるが、忍耐だ。
彼の足元に何回か掃除機をかけ、周辺もある程度かけて、
彼が安全に動けるようになったのに、
さらに「ココ」と言われたので、
思わず「自分でやってください!」と掃除機を投げ出してミーティングに戻った。
ヤバい、わたしは怒っている。
これは、相手の怒りに同調してしまっている。
この怒りはわたしの怒りではなく、彼のストレスの怒り。
「おまえのせいで、こっちもイライラすんだよ!」
なぁんて言っても、
1ミリも解決しない。
ただただ、お互いにヒートアップして、
最後にはモノが壊れ始めるか、どちらかが家を飛び出すか。
わたしも慣れない営業という仕事をしているせいで、
ストレスを感じ始めているから、
同調するのは、とってもたやすい。
自制心をはずすのは、とっても心地良いという誘惑もある。
そもそもわたしは悪くないのだから、
全責任を相手に投げつけて、怒ってしまえばスッキリする。
だけど、ここで、コントロールしなくては。
わたしの心が穏やかでいられるためには、
わたしがわたしの為に、環境を整えなくてはならない。
相手にわたしの心をコントロールする権利を渡しちゃいけない。
くやしくても、
感情的になっても、
わたしは悪くなくても。
ミーティングである程度、切り離して気持ちを落ち着ける。
あとは、テレビというありがたいものもあるので、
ちょっと元気になれるバラエティをつけて、
かわいいなぁ、すごいなぁ、という独り言から始めて、
おいしそうだよね!と彼に同意を求めるようにしていく。
彼も怒り続けるにはパワーが必要で疲れるし、
何よりも自分が怒り狂ったことを後悔している。
だからさりげなく、
笑いがあって、
目の前のものがおいしいね、
猫がかわいいねといえる雰囲気に戻していく。
割れたガラスのことも、
ミーティングで大事な部分を逃したことも、
小松菜がもったいなかったことも、
けっして口に出さない。
パートナーは一番身近な心の鍛錬相手だ。
わたしに何もなくても、何か起こしてくれる。
わたしの心の準備も、なんの前触れもなく、突然に。
ありがたく、今日も経験値が1exp増えた。
いつか彼のおかげで、わたしはすごい境地に達することができるかもしれない!
今日もありがとうございました!!